第135回:15年目の夏祭り

こどものいえ保育園 園長 畑田温子
イラスト:夏まつり

今年で15回目を迎える、こどものいえ保育園の夏祭りが7月5日に開催されました。
15回目ということは0歳児だった赤ちゃんも今や中学三年生!
あっという間に過ぎゆく年月の速さにしみじみ驚きます。
夏祭りを15回経験した私も歳を取ったもんだなぁ、、と再びしみじみ、、

私がこの夏祭りで毎年感動するのが年長児5歳児さくら組さんの挨拶と踊りです。
赤ちゃんの頃は大勢の人の前で泣いてしまったり恥ずかしくて逃げ回っていた子ども達が立派に挨拶をして堂々と踊る姿に自然と目頭が熱くなり毎年泣いてしまいます。
「恥ずかしいけど頑張って皆の前で踊るのがさくら組さん!」と励ます担任の先生の言葉にまたもや涙、涙。。

先生たちが毎年様々な出店を工夫して作ってくれるので小さな園庭が華やかになり
家族で集まる楽しそうな姿も園の毎年の風物詩となっています。
そんな夏祭りを楽しむ子ども達の姿を見ているとふと高校時代の恩師の言葉が思い出されました。

「俺はどんどん歳を取るのに君達はいつも16歳で入学して18歳で卒業する。俺はそれが時々たまらなくせつない気持ちになるよ。」

若い頃は「何言ってるんだろう?当たり前の事でしょ。。」と思っていた言葉ですが今はその言葉が少しわかるような気がします。
毎年、歳を取る私と毎年ピチピチの0歳の赤ちゃんで入園してピカピカの6歳で卒園していく子ども達・・
確かに何とも言いようもない、せつない気持ちになる時があります。
が、その反面一人一人の可愛い子ども達の6年間の成長を側で見守る事ができる喜びが今の私にはあります。

ふと高校時代の恩師の先生にもし会えたらこう言いたくなりました。
「先生私もすっかり歳をとったよ。歳をとるのは心底、嫌だけど未来ある子ども達の成長を毎日、目の当たりにできる今の私、けっこう楽しいよ。歳をとって相当涙もろくなったのは嫌だけどね。。」と。。少々ノスタルジックな気持ちになった今年の15年目の夏祭りでした。