第89回: みんなちがって、みんないい

かわしり保育園 園長 三浦雄一
イラスト:子どもと保育士

園庭の樹木も青々と芽吹き始め、躍動感にあふれた季節を迎えている。相変わらずの新型コロナウィルスの報道、ここ最近は秋田県・秋田市でも毎日、陽性者の増加が伝えられている。そんな中での新年度スタート。様々な対策を講じながら、子どもたちの健やかな育ちのために何ができるのかを考える日々である。

ある日の光景。温かな春の日射しを浴びながら子どもたちは、一心不乱に園庭で遊びに興じている。何度も何度も走ることをくり返したり、地面に落ちた花や枝を拾い集め食材に見立てままごとをしたりなど、多種多様な遊びが展開される。土を掘り起こし「アリ、ミミズ、ダンゴムシが、こんなにいっぱい。」と誇らしげに見せる子ども。年長さんがシャボン玉を飛ばしているのを見て、「シャボン玉って、なんで丸いの?」といいながら一生懸命に追いかける子ども。一人ひとり遺伝子も育った環境も異なっているのだから、感性や特質が違うのも当然なのだなあと改めて感じる。

子どもたちと一緒に生活し様々な姿を見ていると、金子みすゞの詩『風と小鳥と鈴と』の一節「みんなちがって、みんないい」という言葉が浮かぶ。私の大切にしたい人間観とも重なり、一人ひとりみんな違っているからこそ、私たちはかけがえのない存在なのだと思う。異質なものが融合し、様々なアプローチをすることで新しいものが創造されていくのだろう。先が見通せない厳しい状況下ではあるが、未来を担う子どもたちの礎を創っていく仕事をしているのだという自覚と誇りを大切にしていきたい。