第150回:名まえのわからない花

ほどの保育園 園長 山田暢子
イラスト:AIチャットに質問する子ども

秋の日のある朝、保育園の玄関に花を飾りました。自宅の裏庭に毎年咲くうすむらさき色の小さな花です。

少しして年長の男の子が登園してきました。
「このお花、園長先生がもってきたの?」
「そうよ」
「何て言う名まえ?」
「名まえがわからないのよね~。」
「じゃあ、チャッピーに聞けばいいのに。チャッピーってなんでも教えてくれるんだよ。今日の夜、なにを食べたらいいかも教えてくれるんだよ。」

とっても便利そうだけど、チャッピーにどうやって聞いたらいいのかわからないと答えると、「ええっ~。知らないの?」と驚いた表情。今度、図鑑を見て調べておくねと言ったもののどうしたものか。

その日の夕方、「園長先生、お花の名まえわかったよ!カッコウアザミだよ!」の、声と同時に事務室の扉が開きました。
お迎えに来たお母さんに携帯電話で調べてもらったんだよと、ちょっぴり誇らしげな表情です。
「カッコウアザミ?」「そう、カッコウアザミ」
2人で何度も名まえを言っては確認し、そうして小さく笑い合いました。

赤ちゃんだった子が、いつの間にか年長さんになって、花の名まえまで調べてくれるようになったんだなと思うと、嬉しさと同時に月日の経つ早さを感じたできごとでもあります。

毎日子どもたちの元気な声を聞いて、大きくなっていく子どもたちの姿を見て、そしてたくましくなった子どもたちに時には教えてもらいながら、保育園で働くことができる今に感謝して一日一日を大切に過ごしたいと思います。