第107回:ウクライナ国立バレエ 秋田公演

ナーサリー土崎 園長 櫻庭由美
イラスト:バレエ(ドン・キホーテ)

2022年12月24日クリスマスイブの日に『あきた芸術劇場ミルハス』で、ウクライナ国立バレエ団(旧キエフバレエ)の公演がありました。

数年ぶりのプロのバレエ公演で、秋田で滅多に見ることができない演目「ドン・キホーテ」ということもあり、チケットが手に入ってから公演の日を心待ちにしていました。

戦争が起きてなければクリスマスイブなので演目は多分、「くるみ割り人形」だったと思います。しかし、ロシアへの抗議の意味を込めてロシアがウクライナに侵攻してからチャイコスフキーが作曲したバレエは、西側諸国でも公演されていません。

公演は全幕3時間、久しぶりの華やかな舞台と生オーケストラで、コロナのことも日頃の疲れも忘れさり、心な中で何度も「ブラボー!」と叫びながら手のひらが痛くなるくらい拍手を送りました。

公演に来ていたダンサーやスタッフは、母国のため今、自分たちができる事を精一杯やり、国を守るため公演を行っていると思うと自然に拍手が大きくなりました。カーテンコールでは何度も何度も幕が上がり、その度に大きな拍手が沸き起こり会場の一体感が感じられました。

心の中で1日でも早く平和が戻ってくることを祈りながら、ハードスケジュールで公演の旅を続けるバレエ団の方たちに大きな拍手でエールを送りました。

そして、ウクライナ国立バレエ団の方々が、キーウのウクライナ国立歌劇場で公演が再開できることを祈りつつ、またいつの日か秋田で素晴らしいバレエを、見せてくれる日が来ることを待っていたいと思います。