第114回:『楽しい』が一等賞

雄和中央保育所 所長 多可真紀
イラスト:準備運動

今年は例年にない酷暑が続き、「暑い~」という言葉を何度言ったかわかりません。道路にある温度計の数字が夕方の退勤時に「40」と表示されていて、目を疑った日もありました。

暦の上では秋だというのに、9月中旬の今もまだ暑い日が続いています。

そんな暑い日が続く9月の上旬、秋の大きな行事である運動会が行われました。当保育所には、トトロの森を思わせるような木々に囲まれた園庭があります。暑い日ではありましたが、大きな木々のおかげで園庭に日影ができ、直射日光を避けて運動会を行うことができました。新型コロナウイルス感染症が5類になり、今年度は数年ぶりに家族の人数制限をなくした運動会となりました。保護者の方に加え、祖父母の方や小学校のお兄さんお姉さんも参加してくださることを子ども達も事前に知り、運動会の日がくるのを毎日心待ちにして過ごしていました。

恥ずかしい話ではありますが、運動が大の苦手な私は、運動会となると空に手を合わせ、ひたすら「雨が降りますように」と願う子どもでした。そんな自分の子ども時代と保育所の子ども達の姿を重ね合わせながら、運動会を楽しみにしてはりきっている子ども達のいきいきとした表情を見ていると、嬉しくてたまりませんでした。当日も、友達と体を動かすことが楽しい! おうちの人たちと一緒の運動会って楽しい! と、『楽しい』気持ちがあふれて、たくさんの笑顔を見せてくれた運動会になりました。有難いことにおうちの方からも「楽しかった」とのお声をたくさんいただきました。

楽しいと思う気持ちは最強で、『楽しいこと』が『好きなこと』になり、それが自分の最大の武器になっていくはずです。私は、『楽しい』経験をたくさんして自分の『大好きなこと』を子ども達に見つけてほしいといつも願っています。もちろん、様々な競技に勝敗はつきものですが、それでも「あー楽しかった」と思える気持ちこそが一等賞だなと改めて感じた運動会でした。

子どもも大人もワクワク心が躍るような『楽しい』毎日を過ごしたいですね。